恋愛心理研究所 愛と恋愛の心理学

白いベッドの上、花嫁のように横たわる私と、彼の結婚指輪

一枚の写真が呼んだタブーの香り。結婚した上司とのひとときが闇に残す欲望と喪失。沈黙の奥底にある心理を静かに暴く。

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白いベッドの上、花嫁のように横たわる私と、彼の結婚指輪

「写真、撮って。奥さんには絶対見せない場所だから」

「ここ、横になってみる?」 彼女は白いシーツの上にそっと這い上がった。パンプスは脱いだが、黒いストッキングは穿いたまま。ヒールがシーツを引きずる音が、誰かの吐息のように艶めかしい。

彼がスマホを掲げた。カメラアプリではなく、ただのカメラ。フラッシュはオフにしてある。部屋には淡い午後の陽射しと、ふたりの不安な吐息だけが漂っていた。

「ここ。」 彼女は枕を二つ重ねて支えた。髪を振り乱して横たわると、スカートが太ももまで捲れた。黒いストッキングと白いシーツのコントラストが鋭すぎて――目が眩んだ。

彼が一歩近づいた。左手の薬指に指輪が瞬いた。駐車したばかりの車から運ばれてきたような、ほのかな車内の香りと、その煌めきが混ざり合った。

この瞬間が写真に残ることで、何かを永遠に失うのかもしれない。


夢にすら口にできない想像

写真の中の女性は、決して彼の妻ではない。けれど白いベッド、朝の陽射し、まだ朝寝ぼけのような眼差し――すべてがあまりに新妻らしい。このベッドで眠っていたのは彼女ではなく、法的な妻であるはずだったのに。

実はここに二つの欲望が重なっている。ひとつは彼女の望む「置換」の欲望。妻になりたいのではなく、妻の場所を置き換えたいという欲望。もうひとつは彼の望む「重複」の欲望。妻の分まで満たしてもまだ余る欲望。

そしてその写真は、二つの欲望の交差点だ。けれど交差点はいつも破局へと続く。ひとりの女性は家族の名で、もうひとりの女性は禁忌の名で、同じ空間を占めようとする。しかし空間はひとつだけで、時間はいつも遅れてやってくる。


「あ、ここで……今日は、何曜日でしたっけ?」

ジウン(32歳、マーケティング課長)は去年の5月第二週、江南のオフィステル14階でその写真を撮られた。上司はヨンジュン(45歳、部長)。結婚12年目、妻は大手企業の弁護士、二人の子どもの父。

あの日は土曜日だった。会社主催のワークショップ二日目。夜明けまで酒を飲んだあと、彼女は彼の車に乗った。

「ここはどこ?」 「うちの会社のオフィステルさ。今日はここで少し寝ていこうか?」 「……先にシャワーして」

シャワーを終えた彼女が出てくると、彼はすでにベッドに腰かけていた。白いシャツのボタンを二つ外したまま。そして言った。

「一枚だけ撮ろう。後で見返したとき、きっといい思い出になる」

彼女は素直に横たわった。化粧水の香りと濡れた髪の匂いが混じっていた。フラッシュは焚かれなかったが、その瞬間の闇の中で彼女は、何かを永遠に奪われる気がした。


指輪をはめた手がシーツを握りしめる瞬間

別のケース。スジン(29歳、インターン)昨年の冬、上司と旅行に行った。江原道のペンション。雪がそっと積もった白いベッド。

彼女は眠ったふりをした。彼が出ていった隙に、彼女は彼の財布から妻の写真を取り出した。ハンサムな妻、可愛い子どもたち。そして静かにベッドに横たわり、その写真を白いシーツの上に置いた。

ここがあなたの場所。代わりに私が横たわってる。

そして写真の上に身を重ね、目を閉じた。上司が戻ってきても、何も言わなかった。ただ静かに写真をベッド脇のテーブルに移し、彼女の頭を撫でた。

その夜、彼女は夢で妻の声を聞いた。

あなたもいつかこの場所を離れなければならないわ。


なぜ私たちは禁忌のベッドに横たわりたいのか

実はこれは単なる不倫の話ではない。これは一つの「まねごと」の問題だ。妻の場所を、妻の時間を、妻の匂いさえもまねしたいという欲望。

けれどまねごとはいつも不十分だ。本物ではないから。

心理学者たちはこれを「不在の欲望」と呼ぶ。何かが欠けているほど、その不在はより強烈な欲望を生む。結婚した男のベッドは、その不在の完璧な象徴だ。妻はいるけれど彼女はいない――その隙間を埋めたいのだ。

そして白いベッドはこの欲望を極大化する。純潔と禁忌、結婚と不倫、白いシーツの上にはすべての対立が同時に置かれる。その対立が写真で固定されるとき、私たちは結局自分の欲望を永遠に失われたものにしてしまう。


「今すぐ、あなたも誰かの白いベッドを想像している?」

あの写真は今でも彼女のスマホの中にある。ロック画面ではない。隠しフォルダの中。それでも時々開く。そして毎回感じるのは――その瞬間が次第に白くフェイドアウトしていくこと。白いシーツのように、白い嘘のように。

あなたももしかして、今この瞬間、誰かとの白いベッドを頭の中で描いている?

そしてその想像の果てで――あなたが本当に欲しいのはそのベッドなのか、それともそのベッドで決して眠ることができないという事実なのか。

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