「おい、マジでかわいいな。」
ジェミンがそっと俺の腕をつつき、囁いた。俺たちは弘大前の小さな居酒屋に座っていて、ジウンはトイレにちょっと席を外していた。
ジェミンの目つきがおかしかった。いつもは少し疲れて無関心な目が、今は這いずるように生き生きとしていた。
アイスクリームをひとすくい、氷の上に乗せる間だけ、俺は息を止めたような心拍になった。
ジェミンがジウンを見るその眼差し。意識したこともない想像の中だけにあった瞳だった。
彼女が戻るまでの3分間の地獄
トイレへ向かうジウンの後ろ姿が見えた。白いニットにぴったり沿ったウエストライン、ゆるりと揺れる長い髪。
ジェミンがちらちらと盗み見るのが目に入った。
俺が持っているものが本当に特別なのだろうか。それともただ熱く感じる錯覚なのか。
この問いが喉の奥まで込み上げた。
友人たちが俺の彼女を見てどんな表情を作るか、どんな目で盗み見るか。それが俺の価値の基準になってしまう瞬間だった。
ジウンが戻ってきたとき、ジェミンは明るすぎる挨拶をした。
「お、ジウンさん?初めまして。よろしく。」
彼が手を差し出すとき、俺はジェミンの指先がかすかに震えるのを見た。
その小さな震えが俺を火照らせた。嫉妬ではなかった。もっと凄まじいものだった。
欲望の測定器
俺たちは誰もが無意識のうちに「他人の視線」という尺度を持ち歩いている。
恋人が他人の目にも熱い存在かを確かめたい欲望は、単なる自慢心じゃない。
それが本当に俺が熱く感じているものなのか それとも俺だけの幻想に過ぎないのか
を点検する一種の現実検証だ。
友人が反応しなければ、俺も冷めてしまうのではないかと怖いのだ。
ミンソとヒョンス の物語
ミンソは29歳、広告会社のAEだ。先週、新しい恋人ヒョンスを紹介した。
「マジでイケメンじゃん。芸能人じゃない?」
友人スジンが歓声を上げた。
ミンソは心の中で微笑んだ。
しかしその夜、ヒョンスからメッセージが届いた。
『スジンが俺に興味ありそうだ。無遠慮に見つめてたよ。』
ミンソは突然ヒョンスが素敵に見えた。スジンの目の色が変わるのを見た瞬間、ヒョンスは彼女のものになったからだ。
別の話。
ジュノはサークルで知り合ったハウンを紹介した。
「まあまあかな。」
サークルの友人たちは反応が淡かった。
ジュノはその夜、ハウンが少し違って見えた。昔は可愛く見えた彼女の笑顔が少し幼く見え始めた。
俺が熱く感じていたのは俺だけの錯覚だったのか
ジュノは不安になった。その不安がハウンへの新たな視線を生んだ。
なぜ俺たちは他人の目に頼るのか
精神分析学者ラカンは「他者の視線」を語った。
俺たちは他人の目で自分を見る。恋人の価値すらも他人の目で検証されたい。
これは単なる虚栄ではない。
俺が感じる熱さが本物か それとも俺だけの幻想か
を確かめる一種の事実確認だ。
まるで強いお酒を飲んだあと、他人が「強いね」と言ってくれなければ本当に酔っているのかわからないようなもの。
もっと暗い層もある。
俺たちは実際に友人が俺の恋人を欲する瞬間 その恋人がさらに熱く輝く
ことを知っている。
他人の欲望が俺の欲望を刺激する瞬間たち。
それが俺たちをさらに堕落させる。
最後の問い
あの日の居酒屋で、俺はジェミンがジウンを見て変わった目の色をはっきり覚えている。
その眼差しのおかげでジウンが以前よりも熱く感じられたことを認める。
あなたは今、誰かを紹介するとき最初に誰の目を探すのか。
そして、その目の色が変わらなければ、あなたの熱さも冷めてしまうのではないかと怖いのか。