ふっ
「最近、どうしてこんなに冷たいの?」 ジュンスが布団の中で私の肩を揺らした。薄明かりのスタンドランプの下、彼の瞳がじんわりと潤んでいる。 私は答えの代わりにそっと腕を引いた。熱い吐息が首筋をくすぐっても、全身がひんやりしていた。 「別に……ただ疲れてるだけ」 あの日も私は彼を拒んだ。半年間、毎週水曜に繰り返される拒絶。ジュンスはもう私の身体が熱を帯びるのを期待していない。私も同じだった。29歳最後の日まで私を沸き立たせていた灼熱の感覚は、三十路の一歩を踏み出した途端に冷めてしまった。
私の身体が最初に裏切った。洗面所の鏡の前でブラを外しながら気づいた。かつては指先が触れるだけでぴくりと反応していた胸が、胼胝のように感覚を失っていた。敏感だった乳首は気配を放棄したように垂れ、内腿はいつも箪笥の奥のくすんだストッキングのように静まり返っている。同僚の男性が飲み会で肘が軽く触れても何も響かない。かつてはそんなさりげない接触に耳まで赤くなっていた私なのに。もう「大丈夫、ただの偶然よ」と笑い飛ばす。その笑顔の裏に欲望の気配はどこにもなかった。
3月15日、午前2時14分 ジウンの日記
今日もサロンに行った。キム・ジャンスク院長がブラッシングしながら私の項を撫でるたび、全身に電流が走っても私は堪えた。その手の感触が先輩の手を思い出させたから。
大学の先輩、大韓民国軍人。 彼は休暇で出てくるたびに熱かった。訓練場で乾いた肌を私の身体にこすりつけ、息が上がるほど私を抱きしめた。私はその熱さに夢中だった。
除隊後、就職難に喘ぐ先輩は、私にだけ沸騰しきった欲望を要求した。酔いに任せて横たわる私の身体を掻き回し、自分が壊れてしまったことの証明をしようとした。あの日から私は彼を離れ、同時に私の身体は冷えきった。
櫛が再び額を撫でた。院長は知らない。この瞬間、私は先輩に復讐していることを。
4月2日、午後11時7分 ヒョンウの日記
8年ぶりにあの映像を観た。会社の同期がくれたUSB。家に帰り、ノートPCを開けたとき、私は何も感じなかった。これが……なぜか興奮していたんだっけ?
20代半ばは一日に何度も一人でした。ゲーム企画書を書いていても彼女からのLINEが来れば飛び起きた。地下鉄でも、ネットカフェでも、時には会社のトイレでも彼女の声を聞くだけで身体が反応した。
三十路になると全てがスケジュール化された。恋愛は結婚へのプロセス、スキンシップは妊娠へのタイムテーブル。交際6ヶ月、儀礼的にプロポーズした。彼女も儀礼的に承諾した。婚前妊娠が発覚し、急遽挙式。子どもが生まれてから性欲は完全に消えた。
妊娠中は一度もしなかった、なんて同僚と笑う。その笑いの奥に自嘲と虚脱が渦巻いている。
冷めた理由は単純だ。もう上昇はないと悟ったから。昇進も、年収も、恋愛も、すべての曲線は緩やかな下り坂に乗り始めた。燃えるものは消耗品だと、私たち自身が一番よく知っているからだ。
それに三十路の欲望はいつも的外れな欲望になった。20代ならロマンチックだった一方的な片思いは、今ではストーカーで通報される。若い年下との関係は未成年だと誤解される。既婚者の身体を見ることは不倫罪にあたる。
だから私たちは冷たくなる。熱くなる瞬間、また傷つくことを知っているから。
午前3時、布団の中でジュンスが再び私の肩を揺らす。
「本当に聞きたいことがあるんだ」ジュンスの声が震えている。
「私たち、また熱くなれる?それともこのまま燃え尽きちゃうの?」
私は答えの代わりに彼の手を握った。手の甲は静かに冷えている。それが私たちの体温なのか、たとえ再び燃え上がっても灰になる未来なのか、誰にもわからない。