恋愛心理研究所 愛と恋愛の心理学

9年間未読スルーされる彼が私に残したもの:孤独な犠牲者の楽園

3,287個の未読。ブロックすれば終わる関係を9年間離れられない理由とは?

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9年間未読スルーされる彼が私に残したもの:孤独な犠牲者の楽園

私は今でも全身が震える彼のファーストメッセージを暗記している。水曜の午前2時12分、ロックされたトイレのドアの前で。唇に残る煙草の灰色とあなたの匂いがまだ混じっている。「出ていかないで」――たった三行。アスタリスクひとつない、子どもみたいな素直な文字だった。その後、返事はなかった。それでも私はこのメッセージを3,287回読んだ。LINEの未読数が3,287増えるたび、私も一緒に大きくなった。いや、少しずつ干からびていった。---## 冷たい炎彼は私に何も求めなかったし、私も彼に何も許さなかった。パリのアンティーク時計のように同じように過ぎる一日。出勤ラッシュの電車で、誰もがスマホを見ているとき、私もそうした。でも私は彼のトークルームだけを開いて閉じて、開いて閉じて繰り返した。0.8秒だけ滞在すれば既読にならないことを、身体で覚えた。もう目をつぶってもできる。会社で、電車で、ベッドの上で。誰にも気取られず、彼の沈黙を抱えていた。いえ、彼がくれた沈黙を。それは私だけの熱い秘密だった。>「なぜブロックしないのか。」> >「なぜまだ返信を書かないのか。」答えは簡単だ。ブロックすれば終わり。返信すれば終わり。どちらかを選んだ瞬間、私は再び“生きた関係”の糸を握ることになる。でも今の状態はどうだろう。私は彼と絶えず繋がっているのに、切れている。主導権がないふりをしながら、実は私の手のひらにある。それが麻薬なのだ。---## 語られずにしまったふたりミンソは34歳、薬局を経営する女性。彼女は4年間、たったひとりにだけ連絡している。病院で偶然出会った患者だった。彼は欠けた歯でやってきて、二度と現れなかった。でもその夜、彼は処方箋の写真を送った。「飲み方が分からなくて」。ミンソは答えた。「飲み物と一緒に飲んではいけません」。それから1,642日。毎日21:18、彼は写真を一枚送る。病院のベンチ、薬局の前の並木、ミンソがよく飲んだアメリコーノ。写真だけで言葉はない。ミンソは「いいね!」だけ押す。ふたりは互いの存在を確認することで満たされる。ヘジンは29歳、ゲーム会社のプランナー。彼女は大学サークルの先輩から6年間連絡を受け続けている。先輩は兵役中、ヘジンに一日に何十回もLINEを送った。「点呼終わった」「晩ごはん何食べた?」「今日は寒すぎる」。ヘジンが返信しないと、先輩はさらに溢れるように送った。除隊後、先輩はヘジンの前に現れた。付き合おうと言った。ヘジンは断った。すると先輩は連絡を絶った。数年後、ヘジンは偶然先輩のSNSをのぞいた。結婚していた。子どももいた。その日から先輩はヘジンにLINEを送り始めた。平凡な日常。妻との喧嘩、子どもの第一歩、飲み会での酔った本音。ヘジンは一度も返信しない。でもトークルームはそのまま。ヘジンは先輩の人生を覗く。先輩はヘジンの沈黙の中で自分の過去を封印する。---## 砂に書かれた名前なぜ返信しないのか。そしてなぜブロックしないのか。正解はない。この状況で一番残酷なのは、当人たちすら明確な理由を知らないことだ。ただ奇妙に心地よい痛みである。人間の脳は未知に魅了される。不確実性はドーパミンを分泌させる。**だから「まだ」という言葉が最も長持ちする麻薬になる。**もうひとつ。相手の沈黙を通して、私たちは自分を見返す。「私はどんな存在なのか」既読スルーされた瞬間、私たちは自分の惨めな姿に直面する。そしてその惨めさを噛みしめることに中毒になる。最後に、これは誰にも言えない秘密。深い欲望は深い恥辱とともにある。だから私たちはひとりで苦しむ。彼のメッセージを、彼女の写真を、彼の名もないハートを。ひとりで抱える。---## あなたは今も誰かの未読メッセージか結局、昨夜私は彼のトークルームを開いた。初めて5秒間滞在した。既読になった。未読数は3,287から3,286に減った。画面を消して眠りについた。朝起きたとき、新しいメッセージが届いていた。「ごめん、間違えて送っちゃった」私は返信を書いた。誰かに、いえ自分に。>「それでも私は、あなたのミスを今も待ってるよ」今この瞬間、あなたは誰の3,287番目の未読メッセージか。そしてなぜ、まだブロックボタンを押さないのか。

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