彼女がトイレへ向かった午前3時17分、ベッドシーツの上に何かを見つけた。濃い茶色の長い髪の毛一本。私の髪は短いボブスタイルだった。そしてベッドサイドテーブルには裏返されたアイスティーのグラスが二つ。
これは確かに彼女たちが残したものだ。 深い眠りについていた夫の息が耳に届く。12年一緒に過ごした人の息遣いすら異質に感じる瞬間だった。
娘たちに占領された私たちの家
結婚初年度、夫は18歳と20歳の娘たちを連れてきた。「たまに週末に来るだけだから、あまり気にしないで」と夫は言ったが、彼女たちはすぐに金曜の夜ごと現れるようになった。そしていつの間にか、夫は娘たちの部屋で寝るという口実でシャワーバッグを手に出て行くようになった。
お母さんと同じ香水の匂い。 長女のスジンがトイレから出るたびに漂ってきた香り。その香りが私たちのベッドシーツに染みついていた。娘の部屋から出てきた夫の首にも同じ香りが染みついていた。
欲望の解剖:なぜ私はこの髪の毛に燃えるのか
私は単に娘たちが夫を奪うことに怒っているわけではない。もっと深いところで燃える火がある。彼らが共有する血の匂い、20年以上にわたる暮らしの重み、私は一体何で競争できるというのか。
彼らは同じDNAを抱いて呼吸している。 これは単なる継母の嫉妬ではない。本能的な競争心、そしてもっと悪いもの——彼女たちが大人になっても夫の胸に抱かれる姿に覚える奇妙な興奮。この不吉な興奮が私を地獄へと引きずり込んでいく。
実話のような物語:ヒジンの3年間
ヒジン、39歳、弁護士。夫のミンスとは8年目の再婚中。ミンスの娘ヨリン(25)は毎週水曜日に家に来る。表向きは夕食を食べに来るということだ。 「今日、パパと一緒にお風呂入ったよ。」ヨリンがさわやかに言った。25歳の成人女性が父親と一緒にシャワーを浴びるという言葉にヒジンの心臓が止まりそうになった。 ミンスは当然のように言った。「小さい頃からそうだったじゃないか。」 その夜、ヒジンはヨリンが使ったタオルを見つけた。水に濡れたのかどうか分からない痕が残っていた。その痕を見つめながらヒジンは知らずに指を伸ばした。そして激しく反省した。 私は何をしているのだろう。
ジヨンの発見
ジヨン、45歳、大学教授。夫ソンホの娘たちミンジョン(28)、ミンソ(26)はいまだにパパのベッドに寝転がってテレビを見る。 先週、ジヨンはミンジョンが夫の胸に抱かれている姿を目撃した。28歳の成人女性が父親の胸に頭を寄せて眠っていた。夫の片腕は娘の腰を、もう片方の腕は頭を包んでいた。 その光景でジヨンは何かを感じた。嫉妬とは違う、熱いもの。 これは禁じられた感情だ。 自分を叱咤しながらも、彼女は翌日ミンジョンと同じ香水を買った。たった二滴垂らせば、夫がミンジョンの部屋から出てきた時のように香るその香り。
なぜ私たちはこのタブーに惹かれるのか
これは単なる家族の争いではない。夫の過去に向けた不可能な競争、そしてその過去が今なお現在に生きて呼吸するという矛盾。私たちは夫の娘たちになりたいのだ。彼女たちが持つ20年を一瞬で覆せる魔法を渇望する。 そしてもっと深いところ——娘たちが父親に対して抱く愛情が、私たちが夫に対して抱く愛情とどれほど似ていることか。この類似の中で私たちは自分を見失う。
私は娘たちを嫌っているのか、それとも彼女たちの中の私を嫌っているのか。
あなたももしかして夜ごと夫の髪の毛をかき分けながら、自分ではない誰かの香りを探していないだろうか?