「すごく… ううん、大丈夫。本当に。このままでいいから」
智慧の指が僕の腹を這い、太ももを撫でる。振り子のようにゆっくり、正確だった。そして唐突に止まった。その短い沈黙の中で、僕はもう崩れ落ちていた。
もう触らない方がいいみたい。
言葉は出なかったけれど、僕には聞こえた。彼女は口を閉ぎ、ベッドの端に身を引き、布団を広げて僕を包んだ。一度も目を合わせなかった。
隠しきれなくなった身体
男はたった一つの恥で終わる。早漏、ペニスの大きさ、曲がった傷痕、薄い胸毛……名前を挙げればきりがない。誰にも見せられない最後の秘密だ。
僕の場合は長さじゃなく“形”だった。下に曲がりすぎていて、セックスのたびに腰に当たってしまう。彼女の顔が歪むのを感じた瞬間、もうダメだと悟った。
身体が完全じゃないことを知られた感覚、それが一番怖かった。僕は身体ごと、男としての全部を拒絶された気がした。
その日から、僕は彼女と会うたびに先に服を脱ごうとした。黒いフレームのパンツ一枚だけ残して。*せめてこれだけは脱がないで。*でも彼女はもう知っていた。最後まで観察して、優しく見送る方法を。
事例1:ミンジェ、28歳、コンサート企画会社
ミンジェはまだ彼女スジンからもらったスクリーンショットを財布にしまっている。カカオトークの「オフィス仲間」グループに流れたメッセージだ。
スジン:今日ミンジェとやったんだけどwwwwww ジウン:どうしたの? スジン:何もしてないのに終わっちゃったwwww本当に1分持たなかったw ジウン:マジでウケる〜
その日以来、ミンジェはスジンの家の近所を歩けなくなった。人々が自分を指差して囁いている気がした。*あの人1分で終わるらしいよ。*芸能人のスキャンダルのように、信号を渡るときもうつむいた。職場の同僚が笑っても自分のことだと感じ、スジンと別れてからも、彼の身体は噂の中に閉じ込められた。
事例2:ギョンミン、31歳、デザインスタジオ
ギョンミンは毎晩鏡の前で20分過ごす。左の乳首が右より2cmも上にある。片方だけズレている。最初は大したことないと思った。けれど恋人ヘジンに「え、なんで乳首の位置おかしいの?」と指差された瞬間、それは永遠の自覚となった。
その後、ヘジンと寝る時は必ず照明を暗くした。少しでもその不釣り合いを隠したい。ヘジンは彼がまともに見られないことに気づき、明かりをつけて胸に触れようとした。ギョンミンはクスクス笑いながら腕で隠した。その日からヘジンは「疲れてる」と会わなくなり、最後には「慣れすぎちゃったね」と距離を取った。ギョンミンはその夜、一晩中鏡の前で片方の乳首を下に引っ張って眠った。
彼女が見たのは僕の身体じゃなく空虚だった
なぜこんな恥に囚われるのか。単なる外見コンプレックスじゃなかった。男として認められないという空虚さだ。女に身体を拒まれた瞬間、僕はもう「関係の主体」じゃなく「観察の対象」になってしまう。実験室のマウスみたいに誰かの目に晒され、その視線の中で「不足」を確定される。
女は僕を見てるんじゃない、僕を通して自分の理想とのギャップを確かめてるだけ。僕はただの鏡にすぎなかった。
だからもう脱げない。脱ぐということは、隠す場所もなく丸裸になることだ。部屋の灯りが消えても、彼女の瞳には僕の失敗した肉体がチカチカと輝いている。
最後に、下着も脱ぐ前に目を閉じたのはいつだろう
智慧とは今でも会う。でもお互い服の上からしかキスしない。それ以上は無理。彼女が手を伸べても僕は避ける。今日は大丈夫って自分に言い聞かせてもダメ。恐怖はもう取り返しのつかない隙を作ってしまった。その隙で僕は毎晩問う。
本当に僕じゃなく、身体の欠陥に囚われたのは僕自身なんだろうか。それとも彼女の視線が作った虚像に僕自身がしがみついてるのか。
じゃああなたは?誰かの沈黙の中で、もう一度死んだことはあるかい?