恋愛心理研究所 愛と恋愛の心理学

友が見るあなたの影

夏のバケーションハウス。夫の背中をこっそり見つめる親友の視線に、私も熱を帯びてしまった。

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友が見るあなたの影

1 | 夏、水色の夏

休暇2日目、貸別荘のリビングは熱い陽射しに焼けていた。 シャワーを終えたばかりのジェミンがタオルで髪を拭いながら現れる。その髪の毛から滴る水滴を一粒も見逃すまいと目を凝らしたとき、隣でビールを飲んでいた親友ジナがぽつりと呟いた。

「わぁ、水着だね。」

彼女は私の手にした艶やかなワンピースを振って笑った。けれどその瞳は服ではなく、シャワーを終えたばかりのジェミンの背中に釘付けになっていた。滴る水が背骨に沿って淡い影を落とし、その影は腰へと続く。ジナの視線はその線を追っていた。静かに、しかし熱を帯びて。

私はバスルームの前で立ち止まり、タオルを差し出しかけた手を止めた。何も言わなかった。ただ、ジナの瞳がジェミンの背を辿る軌跡を追っただけ。その瞬間、胸の奥で何かがそっと開いた。怒りなのか、興奮なのか、区別のつかない感覚が。


2 | 硝子越しの標本

ケースの中の標本は触れられない。だからこそ、より切実になる。 ジナの瞳はまさにその透明な壁越しを見つめているようだった。「絶対に自分のものにはならない」という事実が、それをより鮮明に刻みつけた。

私は彼女の視線を横目で読み取った。 あそこに、あなたが毎日抱く身体があるのよ。

眼前で、ジナは外ではビールをちびちびと飲みながら笑っていた。けれど瞳の奥ではジェミンの身体を断片的に分解し、再構築していた。単なる想像ではなかった。彼女の瞳はすでにジェミンの胸の谷間を通り過ぎ腰を這い、再び上へと這い上がっていた。

私たちは何も言わなかった。しかしその沈黙の中で何かが行き交っていることを、私たちは互いに知っていた。 私は彼女の視線を盗み見る愉悦に鋭い電流が走るのを感じた。同時に、それが自分のものだという事実がもたらす優越感が絡み合った。


3 | 誰かの夢の中の夫

数日後、ジナと私はテラスで夜の海を眺めながらワインを飲んでいた。ジェミンは部屋の中でシャワーを浴びていた。水音が静かに聞こえてくる。

ジナが突然口を開いた。

「ヘリンが言ってた。スンジュンさんが夢に出てきたって。肩に寄りかかってたんだって。」

私は答えなかった。ヘリンという名前ではなく、私の夫ジェミンのシルエットが浮かんだ。

ジナはワイングラスを回しながら続けた。

「夢の中でもそんなに近くにいられるなんて、羨ましいな。」

彼女は笑ったけれど、瞳は笑っていなかった。 私はその瞬間、ヘリンが見たであろう夢を思い浮かべた。ジェミンが別の女の肩に寄りかかる。その女が私の友人だとしたら。そして私は、その夢の結末を決して知ることができないという事実が、胸を締めつけた。


4 | 燃える視線の三角形

翌晩、私たちは夜の海を前にテラスでグラスを傾けていた。ジェミンはジナの隣に座っており、私は彼らの正面に座っていた。

ジナはジェミンの前腕に指先をそっと載せて言った。

「奥さんがそんなに優しいから、幸せになっちゃうよね。」

ジェミンは笑って答えた。

「それにしたって、お前も旦那自慢しろよ。」

ジナは霞んだ瞳で海を見つめながら呟いた。

「うちの人……私の方が大事にしてる感じかな。」

その言葉が終わるや否や、私はジェミンの太ももをとても自然に撫でた。ジナの瞳がその手の動きを追うのを感じた。 私たちは互いの視線を合わせなかった。しかしその瞬間、三角形が完成した。私、ジナ、ジェミン。誰も切れない火花だった。


5 | 湯気の中の輪郭

数日後、ジェミンがシャワーを浴びていた。バスルームのドアが半分開いていて、白い湯気が漏れてきている。 ジナと私はベッドの端に並んで座っていた。

ジナが囁いた。

「見て。水音だけで、はっきり見えるでしょ。」

私は答えなかった。ジナは視線をバスルームに固定した。

「スンジュンさんがシャワーの時もそうなの?」

彼女の瞳は湯気の中にぼんやりと浮かび上がるジェミンのシルエットに合わせて揺れた。 私は目を閉じた。 彼女は今、ジェミンの背骨を伝う水滴を想像しているんだ。 私は彼女の視線の中で、ジェミンを初めて見知らぬ男のように見た。より鋭く、より鮮明に。


6 | 終わらない扉

「その視線の届く場所で、あなたは何を感じた?」

私たちは何も言わなかった。しかしその沈黙の中で絶え間なく何かが行き交っていた。 ジナがジェミンの背中を見つめるたび、私は彼女の瞳の中で私の夫を新たに見た。そして私自身も、その瞳に映る私を新たに見た。 私たちは決して越えない一線だった。しかしその一線を見つめる瞬間、すでに越えたように感じられた。瞳で、想像で、そして静かな吐息が互いを掠める瞬間ごとに。 結局私たちは、互いの瞳の中だけに永遠に留まった。そしてその永遠は、終わらない扉となった。

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